先天性風疹症候群の予防と対応
「1. はじめに」風疹に免疫のない女性が妊娠中に風疹に罹患すると, 風疹ウイルスが胎児に感染し, 出生児に先天性風疹症候群(CRS : congenital rubella syndrome)と総称される障害を引き起こすことがある. 耳鼻咽喉科領域では先天性両側高度難聴のリスクファクターとしてよく知られており, CRSに対する関心も高く, 2012年から2013年に大流行を来した風疹と, 日本耳鼻咽喉科学会も参加した風疹予防キャンペーンはまだ記憶に新しい. このような風疹流行とCRS発症予防のために, 「先天性風疹症候群(CRS)診療マニュアル」が本年1月に作成され公表されている. ここではそ...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 117; no. 12; pp. 1496 - 1497 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.12.2014
日本耳鼻咽喉科学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.117.1496 |
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Summary: | 「1. はじめに」風疹に免疫のない女性が妊娠中に風疹に罹患すると, 風疹ウイルスが胎児に感染し, 出生児に先天性風疹症候群(CRS : congenital rubella syndrome)と総称される障害を引き起こすことがある. 耳鼻咽喉科領域では先天性両側高度難聴のリスクファクターとしてよく知られており, CRSに対する関心も高く, 2012年から2013年に大流行を来した風疹と, 日本耳鼻咽喉科学会も参加した風疹予防キャンペーンはまだ記憶に新しい. このような風疹流行とCRS発症予防のために, 「先天性風疹症候群(CRS)診療マニュアル」が本年1月に作成され公表されている. ここではそのマニュアルとCRS診療経験に基づき, 予防と対応について述べる. 「2. 先天性風疹症候群の症状」CRSの3大症状は先天性心疾患, 難聴, 白内障である. 3大症状以外には網膜症, 肝脾腫, 血小板減少症, 糖尿病, 精神発達遅滞, 小眼球症などがある. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.117.1496 |