頸椎の異常骨化病変により外傷性頭蓋外椎骨動脈解離をきたした1 例

【目的】頸椎横突起孔内の骨化病変により椎骨動脈解離から小脳梗塞を生じた稀な症例を報告する.【症例】37 歳男性,繰り返す頸部の運動の後に右側の感覚障害と視野異常を自覚しMRI で左小脳梗塞をみとめた.頭頸部3D-CTA では第6 頸椎の左横突起孔内に骨化病変をみとめ,血管造影では同部位に左椎骨動脈解離があり,頭位左回旋時に閉塞することが判明した.保存的治療を行ったが,症状再発をみとめたため左椎骨動脈の母血管閉塞を行った.術後に合併症はなく,順調に経過している.【結論】原因不明の後方循環の脳塞栓症や椎骨動脈閉塞は本疾患の可能性があり,診断確定のためには血管のみではなく,頸椎の精査も必要である....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳血管内治療 Vol. 4; no. 4; pp. 168 - 172
Main Authors 長嶺, 知明, 竹下, 朝規, 石原, 興平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会 2019
日本脳神経血管内治療学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2423-9119
2424-1709
DOI10.20626/nkc.cr.2019-0007jnet

Cover

More Information
Summary:【目的】頸椎横突起孔内の骨化病変により椎骨動脈解離から小脳梗塞を生じた稀な症例を報告する.【症例】37 歳男性,繰り返す頸部の運動の後に右側の感覚障害と視野異常を自覚しMRI で左小脳梗塞をみとめた.頭頸部3D-CTA では第6 頸椎の左横突起孔内に骨化病変をみとめ,血管造影では同部位に左椎骨動脈解離があり,頭位左回旋時に閉塞することが判明した.保存的治療を行ったが,症状再発をみとめたため左椎骨動脈の母血管閉塞を行った.術後に合併症はなく,順調に経過している.【結論】原因不明の後方循環の脳塞栓症や椎骨動脈閉塞は本疾患の可能性があり,診断確定のためには血管のみではなく,頸椎の精査も必要である.
ISSN:2423-9119
2424-1709
DOI:10.20626/nkc.cr.2019-0007jnet