3D Visual Function Trainerを用いた健常人における遠見立体視の検討

【目的】3D Visual Function Trainer(ORTe)は、3Dモニタと円偏光を用いた両眼分離により、日常視に近い状態での定量的立体視検査が可能である。今回、ORTeを用いて健常人における遠見立体視の評価とTitmus Stereo Test(TST)による近見立体視との関連について検討した。【対象および方法】対象は健常成人47名、平均年齢21.6±2.4歳で、矯正視力1.0以上、不同視差2D未満、斜視がない者とした。遠見斜位角は-2.7±3.2⊿であった。近見立体視検査はTSTを用いてcircleの交差性視差(凸表)と同側性視差(凹表)(800~40秒)を測定した。遠見立体視...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 45; pp. 193 - 198
Main Authors 平木, 陽子, 後藤, 克聡, 岡, 真由美, 山下, 力, 高﨑, 裕子, 春石, 和子, 三木, 淳司, 桐生, 純一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2016
日本視能訓練士協会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【目的】3D Visual Function Trainer(ORTe)は、3Dモニタと円偏光を用いた両眼分離により、日常視に近い状態での定量的立体視検査が可能である。今回、ORTeを用いて健常人における遠見立体視の評価とTitmus Stereo Test(TST)による近見立体視との関連について検討した。【対象および方法】対象は健常成人47名、平均年齢21.6±2.4歳で、矯正視力1.0以上、不同視差2D未満、斜視がない者とした。遠見斜位角は-2.7±3.2⊿であった。近見立体視検査はTSTを用いてcircleの交差性視差(凸表)と同側性視差(凹表)(800~40秒)を測定した。遠見立体視検査はORTeを用いてcircleと絵視標(800~30秒)のそれぞれで凸表と凹表を測定した。【結果】TSTは凸表と凹表どちらも中央値は40秒で、60秒以下が得られたのは凸表で91%、凹表で94%であった。ORTeは全表において中央値30秒で、60秒以下が得られたのはcircle凸表で88%、凹表で78%、絵視標の凸表で70%、凹表で71%であった。30秒が得られたのは64%であった。また、circleと絵視標ともに凸表と凹表で有意差は見られず、視標の違いによる有意差もなかった。【結論】ORTeを用いた遠見立体視はcircleと絵視標において視標の違いによる影響はなかった。TSTの近見立体視とORTeの遠見立体視では、健常人において同程度の立体視が得られた。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.045F124