内用薬に由る鍼感様現象

我々は日常, 特殊な場合を除き, 各自, 生体への影響を考慮しながら物体に触れたり或いは此れを握ったりすることは殆ど無い. 特に内服用の医薬品などを体表部へ接触又は手で軽く把握する程度では, 人体への影響など全く考えられないことである. 今回, 鍼感現象に極めて敏感な患者の体表部へ, 二種類の薬品を別々に接触させ其の反応を良導絡的観点から検討する機会を得たので報告する. 実験方法 患者は85才・♀. 永年, 角膜実質炎(右)白内障で治療中. 肩凝り・左膝関節痛を軽度ではあるが, 時々覚える. EKG其の他一般検査で異常所見無く, 外見上も元気である. 使用薬剤はピリナジン粉末1.0g及びアプレ...

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Published in日本良導絡自律神経学会雑誌 Vol. 38; no. 7; pp. 177 - 181
Main Author 杉山, 榮一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本良導絡自律神経学会 1993
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ISSN0913-0977
1884-7595
DOI10.17119/ryodoraku1986.38.177

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Summary:我々は日常, 特殊な場合を除き, 各自, 生体への影響を考慮しながら物体に触れたり或いは此れを握ったりすることは殆ど無い. 特に内服用の医薬品などを体表部へ接触又は手で軽く把握する程度では, 人体への影響など全く考えられないことである. 今回, 鍼感現象に極めて敏感な患者の体表部へ, 二種類の薬品を別々に接触させ其の反応を良導絡的観点から検討する機会を得たので報告する. 実験方法 患者は85才・♀. 永年, 角膜実質炎(右)白内障で治療中. 肩凝り・左膝関節痛を軽度ではあるが, 時々覚える. EKG其の他一般検査で異常所見無く, 外見上も元気である. 使用薬剤はピリナジン粉末1.0g及びアプレース(主成分ピペルジルベンヅアミド)2cap. である. 前者は薬包紙に包み, 夫々, 左右上下眼瞼皮膚及び手掌に絆創膏を用いて貼付, 後者は其の儘, 右手で軽く把握させた. いづれもセット時間は10分間である. 実験成績 実験は平成3年2月5日 午前11時50分より開始したが先づ実験直前に於ける全良導絡測定を実施, 其のチャートは〈tab. 1-i〉の如く左H5↑・右F5↓のバラツキが認められる.
ISSN:0913-0977
1884-7595
DOI:10.17119/ryodoraku1986.38.177