思春期特発性側弯症術後長期経過症例が再手術に至る要因:術後平均19.9年経過した47症例での検証

はじめに:本研究の目的は,思春期特発性側弯症(Adolescent idiopathic scoliosis:AIS)に対する変形矯正手術を受けた症例が,術後長期経過してから再手術に至る要因を調べることである.対象と方法:2015年以降,当院を定期受診した初回手術後10年以上経過しているAIS術後患者47例のうち,腰痛や後弯変形を有するために再手術を施行した9例と,定期経過観察継続中の38例とを,グローバルアライメントの観点から後ろ向きに比較検討した.結果:再手術群では下位腰椎の椎体傾斜角が大きく,冠状面および矢状面での脊椎アライメント不良を認め,また固定下端が半数以上でL4またはL5であった...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 12; no. 9; pp. 1117 - 1123
Main Authors 大久保, 寿樹, 矢内, 嘉英, 齋藤, 正史, 古川, 満, 朝妻, 孝仁, 谷戸, 祥之, 金子, 慎二郎, 許斐, 恒彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.09.2021
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2021-0023

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Summary:はじめに:本研究の目的は,思春期特発性側弯症(Adolescent idiopathic scoliosis:AIS)に対する変形矯正手術を受けた症例が,術後長期経過してから再手術に至る要因を調べることである.対象と方法:2015年以降,当院を定期受診した初回手術後10年以上経過しているAIS術後患者47例のうち,腰痛や後弯変形を有するために再手術を施行した9例と,定期経過観察継続中の38例とを,グローバルアライメントの観点から後ろ向きに比較検討した.結果:再手術群では下位腰椎の椎体傾斜角が大きく,冠状面および矢状面での脊椎アライメント不良を認め,また固定下端が半数以上でL4またはL5であった.結語:AISに対する手術では,腰椎椎体傾斜を小さく保ち,冠状面および矢状面でのアライメントを保つことが,安定した長期成績の維持には重要であると考える.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2021-0023