ダウン症小児上位頸椎病変に対する後頭頸椎,上位頸椎固定術後の画像変化―術後の成長について

はじめに:小児ダウン症に対する後頭骨頸椎,上位頸椎後方固定術後の5年間の頸椎アライメント,椎体,椎間板,脊柱管の変化を調査する.対象と方法:ダウン症上位頸椎病変に対する後方固定術を施行し,5年以上経過観察が可能であった7例を対象にO-2 angle,C1-2 angle,C2-7angle,各椎体高,椎体前後径,椎体横径,椎間板高,脊柱管前後径,左右径を術前,術後1,2,3,5年時にそれぞれ計測した.結果:後頭骨―軸椎4例,環椎―軸椎固定3例に施行された.C2-7椎体高,椎体前後径,C6/7椎間板高は術後有意に増加した一方で,脊柱管前後,横径に各群間で有意差を認めなかった.結語:小児ダウン症上...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 13; no. 5; pp. 763 - 769
Main Authors 大内田, 隼, 小清水, 宏之, 中島, 宏彰, 伊藤, 定之, 安藤, 圭, 世木, 直喜, 富田, 浩之, 今釜, 史郎, 町野, 正明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.05.2022
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2021-0068

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Summary:はじめに:小児ダウン症に対する後頭骨頸椎,上位頸椎後方固定術後の5年間の頸椎アライメント,椎体,椎間板,脊柱管の変化を調査する.対象と方法:ダウン症上位頸椎病変に対する後方固定術を施行し,5年以上経過観察が可能であった7例を対象にO-2 angle,C1-2 angle,C2-7angle,各椎体高,椎体前後径,椎体横径,椎間板高,脊柱管前後径,左右径を術前,術後1,2,3,5年時にそれぞれ計測した.結果:後頭骨―軸椎4例,環椎―軸椎固定3例に施行された.C2-7椎体高,椎体前後径,C6/7椎間板高は術後有意に増加した一方で,脊柱管前後,横径に各群間で有意差を認めなかった.結語:小児ダウン症上位頸椎後方固定術後,固定尾側端である軸椎にも椎体高,椎体前後への成長を認めた.一方で,脊柱管内は成長に伴う変化は少なかった.軸椎にスクリュー刺入しても残存する骨端核より成長が望めること,脊柱管は5歳で成人に近い面積に成長することが明らかとなった.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2021-0068