腰椎疾患に対するピラティスメソッドに基づいた運動療法

腰椎疾患に対する運動療法の目的は,日常生活において,腰部組織への過剰なメカニカルストレスが生じる姿勢・動作を修正し,それを維持することである.ピラティスメソッドによる運動療法では,1)腰椎・骨盤帯を安定させて上肢・下肢運動を行い,様々な環境下でも腰椎の中間位(生理的前弯位)を維持し,2)胸椎可動性を高めて腰椎に加わるメカニカルストレスを分散させるエクササイズを施行する.即ち,安静時,運動時の腰椎中間位の維持と脊椎分節的可動性の向上が目的である.従って,ピラティスは腰痛に対する治療だけではなく,腰椎疾患術後の運動療法においても有効である可能性がある.臨床的効果に対しては今後検証する必要がある....

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Bibliographic Details
Published inJournal of Spine Research Vol. 15; no. 6; pp. 844 - 853
Main Authors 葉, 清規, 大石, 陽介, 松田, 陽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.06.2024
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2024-0607

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Summary:腰椎疾患に対する運動療法の目的は,日常生活において,腰部組織への過剰なメカニカルストレスが生じる姿勢・動作を修正し,それを維持することである.ピラティスメソッドによる運動療法では,1)腰椎・骨盤帯を安定させて上肢・下肢運動を行い,様々な環境下でも腰椎の中間位(生理的前弯位)を維持し,2)胸椎可動性を高めて腰椎に加わるメカニカルストレスを分散させるエクササイズを施行する.即ち,安静時,運動時の腰椎中間位の維持と脊椎分節的可動性の向上が目的である.従って,ピラティスは腰痛に対する治療だけではなく,腰椎疾患術後の運動療法においても有効である可能性がある.臨床的効果に対しては今後検証する必要がある.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2024-0607