頸動脈超音波検査法における内膜中膜複合体,プラークの経年変化-5年の経過観察

目的:頸動脈超音波検査の動脈硬化スクリーニングとしての有用性について,頸動脈病変の経年変化に注目し,動脈硬化危険因子との関連とともに検討を行った.方法:武田病院および関連施設において,超音波法を用いて,頸動脈病変について5年の経過をおいて観察が可能であった66例を対象とした.頸動脈病変は,内膜中膜複合体厚(intima-media complex thickness:IMT),プラークスコアについて検討を行った.結果:観察期間は1,835.9±110.1日であった.観察前後で,IMTは0.12±0.16mm(p<0.0001),プラークスコアは0.87±1.67(p<0.0001)...

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Published in健康医学 Vol. 19; no. 4; pp. 586 - 589
Main Authors 青木, みつ子, 田中, 雅美, 吉田, 由紀, 上野, 利恵, 平田, 美紀, 西村, 和司, 濱, 香織, 石川, 峰子, 奥村, 容子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2004
日本人間ドック学会
Subjects
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ISSN0914-0328
2186-5019
DOI10.11320/ningendock1986.19.586

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Summary:目的:頸動脈超音波検査の動脈硬化スクリーニングとしての有用性について,頸動脈病変の経年変化に注目し,動脈硬化危険因子との関連とともに検討を行った.方法:武田病院および関連施設において,超音波法を用いて,頸動脈病変について5年の経過をおいて観察が可能であった66例を対象とした.頸動脈病変は,内膜中膜複合体厚(intima-media complex thickness:IMT),プラークスコアについて検討を行った.結果:観察期間は1,835.9±110.1日であった.観察前後で,IMTは0.12±0.16mm(p<0.0001),プラークスコアは0.87±1.67(p<0.0001)の有意な増加が見られた.動脈硬化危険因子との関連については,危険因子を有する群で増加傾向を示したが,統計学的には有意差を認めなかった.プラークの石灰化病変に注目した検討では,石灰化が存在する群で増加傾向を認めた.特に,新たに石灰化を認めた群では,より強い増加傾向を認め,プラークスコアは有意に増加した(p=0.0002).結論:頸動脈超音波検査によるIMT,プラークの観察およびその石灰化病変の観察が,動脈硬化スクリーニングとしての指標となることが示唆された.
ISSN:0914-0328
2186-5019
DOI:10.11320/ningendock1986.19.586