頭頸部癌における p16 の意義
「1. はじめに」2017年に発刊された新しいTNM分類AJCC/UICC第8版では頭頸部癌で大幅な改訂が行われ, 特に中咽頭癌がHPV関連中咽頭癌とHPV非関連中咽頭癌の2つに分けられたことは大きなトピックであった. 今回の改訂でヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)に関連するHPV関連中咽頭癌が独立した分類として取り扱われたことは, 従来の飲酒・喫煙で発症する癌とHPVが原因で発症する癌が生物学的にも予後でも異なると評価された結果である. 今回の分類で重要な点は, HPV関連中咽頭癌をどのように診断するかということであり, AJCC/UICCにおいてp16免...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 122; no. 8; pp. 1164 - 1166 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.08.2019
日本耳鼻咽喉科学会 |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.122.1164 |
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Summary: | 「1. はじめに」2017年に発刊された新しいTNM分類AJCC/UICC第8版では頭頸部癌で大幅な改訂が行われ, 特に中咽頭癌がHPV関連中咽頭癌とHPV非関連中咽頭癌の2つに分けられたことは大きなトピックであった. 今回の改訂でヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)に関連するHPV関連中咽頭癌が独立した分類として取り扱われたことは, 従来の飲酒・喫煙で発症する癌とHPVが原因で発症する癌が生物学的にも予後でも異なると評価された結果である. 今回の分類で重要な点は, HPV関連中咽頭癌をどのように診断するかということであり, AJCC/UICCにおいてp16免疫染色が診断方法として用いられることになった. そこでp16免疫染色がHPV関連中咽頭癌の診断方法に採択された意義とその経緯について解説したい. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.122.1164 |