当科でのオーバーヘッドトラクションによる先天性股関節脱臼の治療経験

当科では先天性股関節脱臼に対しRBによる整復を試みるが,整復困難例や初診時に生後1年以上経過している例に対してはオーバーヘッドトラクション(OHT)による整復を行う.これらの保存的治療に抵抗する例に対しては手術療法を考慮する.今回当科にてOHTによる整復を行って1年以上経過した例について検討した.【対象】平成3年から平成19年までに当科外来を受診した6例7関節(全例女児)を対象とした.初診時平均月齢は1歳(5ヶ月~1歳10ヶ月),牽引開始平均年齢は1歳2ヶ月(8ヶ月~2歳)平均観察期間は8年(1年~15年)である.【結果と考察】牽引期間は平均で65日(51日~74日)であり,7関節全例に整復が...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 57; no. 2; pp. 242 - 247
Main Authors 関本, 朝久, 坂本, 武郎, 前田, 和徳, 帖佐, 悦男, 中村, 嘉宏, 渡邊, 信二, 舩元, 太郎, 野崎, 正太郎, 小牧, ゆか, 濱田, 浩朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2008
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.57.242

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Summary:当科では先天性股関節脱臼に対しRBによる整復を試みるが,整復困難例や初診時に生後1年以上経過している例に対してはオーバーヘッドトラクション(OHT)による整復を行う.これらの保存的治療に抵抗する例に対しては手術療法を考慮する.今回当科にてOHTによる整復を行って1年以上経過した例について検討した.【対象】平成3年から平成19年までに当科外来を受診した6例7関節(全例女児)を対象とした.初診時平均月齢は1歳(5ヶ月~1歳10ヶ月),牽引開始平均年齢は1歳2ヶ月(8ヶ月~2歳)平均観察期間は8年(1年~15年)である.【結果と考察】牽引期間は平均で65日(51日~74日)であり,7関節全例に整復が得られた.しかしOHT開始が1歳以降の4例中2例に補正手術が必要であった.また,残りの2例も1例は補正手術を予定し,1例は外転装具装着中である.早期の脱臼整復が予後に関係するものと考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.57.242