有鉤骨体部骨折を伴った第 4 中手・手根骨関節単独脱臼骨折の 1 例

「はじめに」有鉤骨の骨折は鉤での骨折が多く, 体部での骨折は少ない. 体部での骨折は単純X線写真にて確認が困難で, 診断に難渋する場合がある. 今回我々は有鉤骨体部骨折を伴う第4中手骨脱臼骨折の1例を経験したので報告する. 症例 患者:27歳, 男性 主訴:左手背部痛 現病歴:平成15年6月14日丸い柱を殴り受傷した. 腫脹, 疼痛認め, 近医受診後保存的に治療され, リハビリ加療目的にて当院関連病院を紹介された. 有鉤骨の骨折と第4中手骨の背側脱臼を認め, 手術予定となった. 初診時所見:左手背部の腫脹, 圧痛および運動痛を認めた. また腫脹部に骨性の隆起を認めた(図1). 単純X線写真:側...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 4; pp. 810 - 815
Main Authors 浅見, 昭彦, 佛淵, 孝夫, 石井, 英樹, 丸野, 暢彦, 篠田, 侃, 園畑, 素樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2004
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.53.810

Cover

More Information
Summary:「はじめに」有鉤骨の骨折は鉤での骨折が多く, 体部での骨折は少ない. 体部での骨折は単純X線写真にて確認が困難で, 診断に難渋する場合がある. 今回我々は有鉤骨体部骨折を伴う第4中手骨脱臼骨折の1例を経験したので報告する. 症例 患者:27歳, 男性 主訴:左手背部痛 現病歴:平成15年6月14日丸い柱を殴り受傷した. 腫脹, 疼痛認め, 近医受診後保存的に治療され, リハビリ加療目的にて当院関連病院を紹介された. 有鉤骨の骨折と第4中手骨の背側脱臼を認め, 手術予定となった. 初診時所見:左手背部の腫脹, 圧痛および運動痛を認めた. また腫脹部に骨性の隆起を認めた(図1). 単純X線写真:側面像にて有鉤骨体部背側の骨片と第4中手骨の基部が背側へ脱臼していた. 正面像では骨折線が, 側面像ほど明瞭ではないが確認でき, 第4中手骨基部と有鉤骨間CM関節の関節裂隙は不明瞭となっていた. 斜位像では第4中手骨基部の掌側の骨片が確認できた(図2). 単純CT検査:単純X線写真と同様に, 有鉤骨体部の骨折や第4中手骨基部の骨折が存在した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.53.810