骨粗鬆症性椎体骨折症例の骨折機転,背景因子と薬物療法の関連
はじめに:当院における骨粗鬆症性椎体骨折症例について調査すること.対象と方法:交通事故及び発症時年齢60歳未満を除き骨粗鬆症性椎体骨折の診断で入院した175例199椎体に対し,発症時年齢,性別,BMI,骨折椎体高位,発症機転,脆弱性骨折の既往,骨粗鬆症薬の使用,発症前の内科併診の有無,入退院時の生活環境について後ろ向きに調査した.結果:平均年齢は82.8歳,性別は男性37例,女性138例.平均BMIは21.5,骨折椎体高位はL1が51例で最多であった.非転倒は49%(86例),脆弱性骨折の既往は脊椎が114例で最多であった.骨粗鬆症薬の使用率は全体では26%(45/175例)で,初回骨折11%...
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Published in | Journal of Spine Research Vol. 13; no. 2; pp. 132 - 136 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
20.02.2022
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Subjects | |
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ISSN | 1884-7137 2435-1563 |
DOI | 10.34371/jspineres.2021-0049 |
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Summary: | はじめに:当院における骨粗鬆症性椎体骨折症例について調査すること.対象と方法:交通事故及び発症時年齢60歳未満を除き骨粗鬆症性椎体骨折の診断で入院した175例199椎体に対し,発症時年齢,性別,BMI,骨折椎体高位,発症機転,脆弱性骨折の既往,骨粗鬆症薬の使用,発症前の内科併診の有無,入退院時の生活環境について後ろ向きに調査した.結果:平均年齢は82.8歳,性別は男性37例,女性138例.平均BMIは21.5,骨折椎体高位はL1が51例で最多であった.非転倒は49%(86例),脆弱性骨折の既往は脊椎が114例で最多であった.骨粗鬆症薬の使用率は全体では26%(45/175例)で,初回骨折11%(6/56例),既存骨折は33%(39/119例)であった.内科併診ありは89%(156例)であった.生活環境は入院時が自宅87%,施設13%,退院時が自宅61%,施設30%,その他9%となった.結語:入院時の骨粗鬆症薬の使用率は26%であった.骨脆弱性を有する患者の受傷は歩行能力の低下を起こしやすく,受傷前からの骨粗鬆症対策を行う必要がある. |
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ISSN: | 1884-7137 2435-1563 |
DOI: | 10.34371/jspineres.2021-0049 |