肘部管症候群術後の成績不良例についての検討

肘部管症候群の術後成績はほぼ安定しているが,中には成績不良のものも経験する.今回は142例156肘についてMessinaの術後成績評価を行い,成績はそれぞれ優58肘(37%),良73肘(47%),可25肘(16%),不可0肘(0%)であった.成績が可であった25肘のうち,調査が可能であった17例21肘について検討を加えた.これらは全て罹病期間が長く,術前のMcGowan病期分類ではgrade 3であった.原因疾患では変形性肘関節症が最も多かったが,これに上腕骨顆部骨折や偽関節による変形,頚髄症や糖尿病などによる神経疾患の合併などがみられた.また,4例に初回手術より数年での再発をみた.本疾患の術...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 3; pp. 365 - 367
Main Authors 角田, 憲治, 田中, 博史, 吉原, 智仁, 浅見, 昭彦, 重松, 正森, 石井, 英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2011
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.60.365

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Summary:肘部管症候群の術後成績はほぼ安定しているが,中には成績不良のものも経験する.今回は142例156肘についてMessinaの術後成績評価を行い,成績はそれぞれ優58肘(37%),良73肘(47%),可25肘(16%),不可0肘(0%)であった.成績が可であった25肘のうち,調査が可能であった17例21肘について検討を加えた.これらは全て罹病期間が長く,術前のMcGowan病期分類ではgrade 3であった.原因疾患では変形性肘関節症が最も多かったが,これに上腕骨顆部骨折や偽関節による変形,頚髄症や糖尿病などによる神経疾患の合併などがみられた.また,4例に初回手術より数年での再発をみた.本疾患の術後成績は術前の諸因子に影響を受けることが多く,まれに再発することがあるため,初回手術はできるだけ侵襲が少ない術式が望ましいと思われる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.60.365