陰圧閉鎖療法にて改善した難治性下肢潰瘍の3例

陰圧閉鎖療法は創部をスポンジとフィルムドレッシング材で密封閉鎖し, 閉鎖した空間をシリコンチューブで持続的に吸引し, 創治癒を促進する方法である. 今回, 通常の保存療法では治癒が困難な骨や腱の露出した皮膚潰瘍2例と下腿切断術後の感染を伴った壊死性潰瘍1例に対して, 私達が工夫したVAC療法を施行し良好な結果を得たので報告する. はじめに 陰圧閉鎖(vacuum assisted closure;以下VAC)療法は, 創部をポリウレタンドレッシング材などで完全に被覆してから, その中または上に吸引ドレーンを留置し, フィルムドレッシング材で密閉した後に持続吸引を行う方法である. これまで主に難...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 57; no. 2; pp. 311 - 315
Main Authors 安里, 英樹, 川越, 得弘, 比嘉, 丈矢, 金谷, 文則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2008
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.57.311

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Summary:陰圧閉鎖療法は創部をスポンジとフィルムドレッシング材で密封閉鎖し, 閉鎖した空間をシリコンチューブで持続的に吸引し, 創治癒を促進する方法である. 今回, 通常の保存療法では治癒が困難な骨や腱の露出した皮膚潰瘍2例と下腿切断術後の感染を伴った壊死性潰瘍1例に対して, 私達が工夫したVAC療法を施行し良好な結果を得たので報告する. はじめに 陰圧閉鎖(vacuum assisted closure;以下VAC)療法は, 創部をポリウレタンドレッシング材などで完全に被覆してから, その中または上に吸引ドレーンを留置し, フィルムドレッシング材で密閉した後に持続吸引を行う方法である. これまで主に難治性の皮膚潰瘍や褥瘡でその有用性が報告されている1)3)4)6). 私たちは本法を安価で行なえるように工夫し, 合併症を持ち難治性と考えられる骨や腱の露出した皮膚潰瘍2例と下腿切断術後の感染を伴った壊死性潰瘍1例に施行し良好な結果を得たので報告する.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.57.311