下位胸椎椎間板ヘルニアに対する後方手術 3 例の検討

「はじめに」胸椎椎間板ヘルニアに対する手術方法は前方除圧固定術が安全で一般的な術式となっている. 今回, 外側に局在する下位胸椎椎間板ヘルニアの3例に対して後方アプローチでヘルニア摘出術を行ったので手術成績を報告し, 適応について検討した. 症例 男性1例(49歳)と女性2例(各79歳)の3例であり, 3例とも腰痛, 両下肢痛, 筋力低下があり歩行不能となり当科を紹介された. 椎間板ヘルニアの高位はそれぞれT12/L1, T11/12, T10/11で1例に黄色靱帯骨化を合併していた. 術前のMRIでヘルニア腫瘤は3例とも硬膜管の外側に位置していた3)6). 症例1 49歳, 男性. 誘因なく...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 4; pp. 861 - 866
Main Authors 根間, 直人, 當眞, 嗣一, 上原, 邦彦, 金谷, 文則, 新垣, 勝男, 野原, 博和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2004
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.53.861

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Summary:「はじめに」胸椎椎間板ヘルニアに対する手術方法は前方除圧固定術が安全で一般的な術式となっている. 今回, 外側に局在する下位胸椎椎間板ヘルニアの3例に対して後方アプローチでヘルニア摘出術を行ったので手術成績を報告し, 適応について検討した. 症例 男性1例(49歳)と女性2例(各79歳)の3例であり, 3例とも腰痛, 両下肢痛, 筋力低下があり歩行不能となり当科を紹介された. 椎間板ヘルニアの高位はそれぞれT12/L1, T11/12, T10/11で1例に黄色靱帯骨化を合併していた. 術前のMRIでヘルニア腫瘤は3例とも硬膜管の外側に位置していた3)6). 症例1 49歳, 男性. 誘因なく両下肢痛と腰痛が出現した. 1カ月後, 荷物を持ち運んだ後に症状が増悪し, 激しい腰痛と両下肢痛のために起立不能となり当院に紹介された. 入院時, 両膝蓋腱反射は低下, 知覚は右厳径部以下と左大腿前面に痛覚鈍麻があり, 筋力は右下肢が徒手筋力テスト(MMT)で2-3と弛緩性麻痺を認めたが, 左下肢は正常であった. X線像にてT12の楔状椎体と胸腰椎移行部の後弯変形があり, MRIではT11/12の椎間板の膨瘤とT12/L1の右外側に椎間板ヘルニアを認めた(図1).
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.53.861