膝関節内リウマトイド結節を生じ弾発症状を呈した2例

リウマトイド結節は前腕や肘伸側の緊張のかかる部位に多く,関節内に生じることは比較的少ないとされている.今回,我々は膝関節内にリウマトイド結節を生じ,弾発症状を呈した関節リウマチ2例4関節を経験したので文献的考察を行い,これまで報告されていない関節内リウマトイド結節のMRI所見に関する検討を加え,報告する.症例は男性1例,女性1例で,ともにRFは陽性であった.両膝関節の前外側に屈伸時に出没する弾発性の腫瘤を主訴とし,MRI上両膝蓋大腿関節の前外側にT1でlow,T2で不均一にhigh,Gdにてenhanceされる小指頭大~母指頭大の結節を認めた.関節鏡視下の切除術により,弾発症状は消失した.関節...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 55; no. 4; pp. 403 - 407
Main Authors 田代, 泰隆, 三浦, 裕正, 松田, 秀一, 岡崎, 賢, 馬渡, 太郎, 坂本, 昭夫, 首藤, 敏秀, 岩本, 幸英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2006
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Summary:リウマトイド結節は前腕や肘伸側の緊張のかかる部位に多く,関節内に生じることは比較的少ないとされている.今回,我々は膝関節内にリウマトイド結節を生じ,弾発症状を呈した関節リウマチ2例4関節を経験したので文献的考察を行い,これまで報告されていない関節内リウマトイド結節のMRI所見に関する検討を加え,報告する.症例は男性1例,女性1例で,ともにRFは陽性であった.両膝関節の前外側に屈伸時に出没する弾発性の腫瘤を主訴とし,MRI上両膝蓋大腿関節の前外側にT1でlow,T2で不均一にhigh,Gdにてenhanceされる小指頭大~母指頭大の結節を認めた.関節鏡視下の切除術により,弾発症状は消失した.関節内リウマトイド結節の成因としては,免疫学的な要因に加え,反復する機械的な刺激が推察された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.55.403