化膿性胸肋鎖関節炎の 1 例

「はじめに」われわれは比較的希な化膿性胸肋鎖関節炎の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 症例 68歳, 男性 主訴:右胸鎖関節部痛, 上下肢の紫斑. 既往歴:慢性副鼻腔炎, 気管支喘息あり. 掌蹠膿疱症の既往なし. 現病歴:平成2年, 右胸鎖関節部痛にて当院受診し, X線上右鎖骨近位部の溶骨性変化と同部位への骨シンチの集積像を認めた. 胸鎖骨肥厚症の診断下に消炎鎮痛剤による治療を平成5年まで行ったが, その後は疼痛がないため受診せず. 平成15年3月25日, 37.2℃の発熱があり, 近医にて抗生剤の投与を受けた. 3月28日, 両上下肢に点状の紫斑が出現し, 抗生剤を変更...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 3; pp. 697 - 701
Main Authors 中原, 信一, 朝長, 匡, 中村, 智, 内田, 雄, 木寺, 健一, 田中, 克己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2004
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Summary:「はじめに」われわれは比較的希な化膿性胸肋鎖関節炎の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 症例 68歳, 男性 主訴:右胸鎖関節部痛, 上下肢の紫斑. 既往歴:慢性副鼻腔炎, 気管支喘息あり. 掌蹠膿疱症の既往なし. 現病歴:平成2年, 右胸鎖関節部痛にて当院受診し, X線上右鎖骨近位部の溶骨性変化と同部位への骨シンチの集積像を認めた. 胸鎖骨肥厚症の診断下に消炎鎮痛剤による治療を平成5年まで行ったが, その後は疼痛がないため受診せず. 平成15年3月25日, 37.2℃の発熱があり, 近医にて抗生剤の投与を受けた. 3月28日, 両上下肢に点状の紫斑が出現し, 抗生剤を変更したが発疹は持続した. 右胸鎖関節部痛が出現したため, 4月4日, 当院整形外科受診し紫斑があるため皮膚科入院となった. 紫斑は皮膚生検にてアナフィラクトイド紫斑病と診断され, 安静, 抗生剤点滴投与にて一時,紫斑は軽減したが再度増悪し, 尿検査にて紫斑病性腎炎の合併も危惧された. 入院時より夜間38.0℃の発熱があり, MRIにて胸肋鎖関節炎, 鎖骨 胸骨 第1肋骨骨髄炎と診断され, 4月11日整形外科転科となった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.53.697