当院における肩腱板断裂の再手術例の検討

肩腱板修復術に鏡視下手術(ARCR),直視下手術(ORCR)があり,良好な成績が報告されている.今回,当院での各手術後に再手術を行った症例について検討した.2008年8月から2010年8月までに118例の肩腱板修復手術を行った.ARCR:79例,ORCR:39例であった.そのうちの再手術例はARCR:4肩,ORCR:3肩であった.ARCRの1肩はアンカーの逸脱で,ARCRを行った.2肩は術後にインピンジメント徴候があり鏡視下滑膜切除を行った.1肩は再断裂例で直視下手術を行った.ORCRでは再断裂し瘻孔形成を2肩,大腿筋膜パッチ移植後にパッチ部の融解を1肩に認めた.それぞれ鏡視下,直視下にデブリ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 3; pp. 368 - 372
Main Authors 崎村, 幸一郎, 中原, 信一, 衛藤, 正雄, 川口, 耕平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2011
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.60.368

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Summary:肩腱板修復術に鏡視下手術(ARCR),直視下手術(ORCR)があり,良好な成績が報告されている.今回,当院での各手術後に再手術を行った症例について検討した.2008年8月から2010年8月までに118例の肩腱板修復手術を行った.ARCR:79例,ORCR:39例であった.そのうちの再手術例はARCR:4肩,ORCR:3肩であった.ARCRの1肩はアンカーの逸脱で,ARCRを行った.2肩は術後にインピンジメント徴候があり鏡視下滑膜切除を行った.1肩は再断裂例で直視下手術を行った.ORCRでは再断裂し瘻孔形成を2肩,大腿筋膜パッチ移植後にパッチ部の融解を1肩に認めた.それぞれ鏡視下,直視下にデブリドマン,部分修復手術を行った.再手術後の経過は概ね良好であった.アンカー逸脱例はアンカー挿入が浅く,手技的なことが原因と考えられた.再鏡視下滑膜切除の2例は関節内外に明らかな異常所見を認めなかった.大腿筋膜パッチ移植ではパッチが融解することがあり,慎重に経過観察する必要がある.瘻孔形成した際には鏡視下または直視下の滑膜切除し瘻孔閉鎖を行う必要がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.60.368