右小指に発生したNeural Fibrolipomaの1例

• Published in: 整形外科と災害外科 Vol. 57; no. 2; pp. 303 - 306
• Main Authors: 前原, 博樹, 安里, 英樹, 川越, 得弘, 比嘉, 丈矢, 金谷, 文則
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 西日本整形・災害外科学会 2008
• Subjects: 再発; 指神経; 神経線維脂肪腫
• ISSN: 0037-1033; 1349-4333
• DOI: 10.5035/nishiseisai.57.303

指神経に発生したneural fibrolipomaの一例を報告する. 症例は21歳女性. 2カ月前に右小指に弾性軟の腫瘍に気がついた. 特に症状なく機能障害も認めなかったが徐々に腫瘍は増大した. MRI検査ではT1およびT2強調像で低信号を示した. 腋窩ブロック下に腫瘍全摘術を施行し, 病理診断はNeural fibrolipomaであった. 術後10カ月の現在, 再発は認めていない. はじめに Neural fibrolipomaは上肢では正中神経や時に尺骨神経などの大きな神経の周囲に好発し, 指神経周囲の発生は稀である. 今回私たちは, 指神経に発生したNeural fibrolipomaを経験したので文献的考察を加えて報告する. 症例 症例：21歳, 女性 主訴：右小指の腫脹 家族歴, 既往歴, 外傷歴：特記すべきことなし 現病歴：特に誘因なく右小指PIP関節橈尺側の腫脹が出現したが疼痛, 熱感, しびれ等の症状を特に認めなかったため放置していた.