脳卒中CT診断の最先端
「1. はじめに」超急性期脳梗塞では血栓溶解薬rt-PA(アルテプラーゼ)の静注療法が認可され, 迅速で的確なCT診断が要求される. 本稿では, 超急性期・急性期脳梗塞のCT所見を中心に解説し, 早期CTサインの検出向上のための援助法や支援システムについて述べ, CT灌流画像の虚血性病変の評価, 面検出器CTの応用の可能性について総括する. 「2. 早期CTサイン」発症3時間以内の単純CT所見は中大脳動脈領域における急性期塞栓性脳梗塞において早期CTサインと呼ばれ, その特徴として「1. レンズ核辺縁の不鮮明化, 2. 島皮質の不鮮明化, 3. 灰白質/白質の境界の不鮮明化を伴う吸収値のわずか...
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Published in | 脳卒中 Vol. 31; no. 6; pp. 472 - 476 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2009
日本脳卒中学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.31.472 |
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Summary: | 「1. はじめに」超急性期脳梗塞では血栓溶解薬rt-PA(アルテプラーゼ)の静注療法が認可され, 迅速で的確なCT診断が要求される. 本稿では, 超急性期・急性期脳梗塞のCT所見を中心に解説し, 早期CTサインの検出向上のための援助法や支援システムについて述べ, CT灌流画像の虚血性病変の評価, 面検出器CTの応用の可能性について総括する. 「2. 早期CTサイン」発症3時間以内の単純CT所見は中大脳動脈領域における急性期塞栓性脳梗塞において早期CTサインと呼ばれ, その特徴として「1. レンズ核辺縁の不鮮明化, 2. 島皮質の不鮮明化, 3. 灰白質/白質の境界の不鮮明化を伴う吸収値のわずかな低下, 4. 脳溝の狭小化」が挙げられる1)2). レンズ核辺縁の不鮮明化と島皮質の不鮮明化は早期CTサインの中で最も早期に観察される所見である(図1A). 中大脳動脈水平部に閉塞を生じると, 同部から起始する穿通枝の支配領域に虚血を生じて, レンズ核辺縁の不鮮明化が出現する. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.31.472 |