剖検例における固形がんの骨転移頻度の検討
「はじめに」整形外科領域において転移性骨腫瘍は, 骨腫瘍中最も発生頻度が高い. 診断および治療に際して, 骨転移頻度 部位などのがんの骨転移の特性を理解することは極めて重要であると考えられる. 今回我々は, 剖検例における固形がんの骨転移について調査 検討したので報告する. 対象および方法 1989年から2000年までに鳥取大学で剖検された固形がん症例365例を対象とした. 内訳は男性244例, 女性121例であり, 年齢は10歳から92歳で平均64歳であった. 罹病期間は2日から444カ月, 平均31.9ヵ月であった. 原疾患の内訳は図1に示すとおりであった. ここでいう多重癌とは異なった種...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 4; pp. 742 - 745 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2003
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Summary: | 「はじめに」整形外科領域において転移性骨腫瘍は, 骨腫瘍中最も発生頻度が高い. 診断および治療に際して, 骨転移頻度 部位などのがんの骨転移の特性を理解することは極めて重要であると考えられる. 今回我々は, 剖検例における固形がんの骨転移について調査 検討したので報告する. 対象および方法 1989年から2000年までに鳥取大学で剖検された固形がん症例365例を対象とした. 内訳は男性244例, 女性121例であり, 年齢は10歳から92歳で平均64歳であった. 罹病期間は2日から444カ月, 平均31.9ヵ月であった. 原疾患の内訳は図1に示すとおりであった. ここでいう多重癌とは異なった種類の癌が同一固体内に, 相互に関係なく同時に発生するものをいう. 現疾患の内訳としては肝癌の80例が最も多く, 以下多重癌78例, 肺癌41例, 膵癌21例の順に続いていた. 統計学的処理にはt検定およびFisherの直接法を使用し, p<0.05を有意差ありとした. 結果 骨転移の頻度は表1に示した. 固形がん365例中85例(23.3%)に骨転移を認めた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.52.742 |