22年間観察し得た小児巨大副咽頭間隙横紋筋肉腫の1例

1歳2カ月時に頸部外切開で組織診断した副咽頭間隙胎児型横紋筋肉腫の男児症例を報告する. 本症例は喘鳴を主訴とし, 右扁桃周囲の腫脹を示した. CT で右副咽頭間隙に腫瘍を認め, MRI では頭蓋底から右顎下部に及ぶ腫瘍を認めた. IRSG のグループIII, ステージ3に分類された. 腫瘍摘出術, VACAdr + CBDCA 療法と術中照射 20Gy を含む放射線照射 50Gy の集学的治療を行った. 特に術中照射は1回に大線量を頭蓋底に直接照射でき有用であった. 現在, 患児は23歳に成長し横紋筋肉腫の再発や転移はなく, アドリアマイシン心筋症もない. 晩期障害は頸部の色素沈着, 下顎の非...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 119; no. 8; pp. 1127 - 1132
Main Authors 中川, 肇, 將積, 日出夫, 渡辺, 行雄, 高倉, 大匡, 浅井, 正嗣, 木村, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.08.2016
日本耳鼻咽喉科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.119.1127

Cover

More Information
Summary:1歳2カ月時に頸部外切開で組織診断した副咽頭間隙胎児型横紋筋肉腫の男児症例を報告する. 本症例は喘鳴を主訴とし, 右扁桃周囲の腫脹を示した. CT で右副咽頭間隙に腫瘍を認め, MRI では頭蓋底から右顎下部に及ぶ腫瘍を認めた. IRSG のグループIII, ステージ3に分類された. 腫瘍摘出術, VACAdr + CBDCA 療法と術中照射 20Gy を含む放射線照射 50Gy の集学的治療を行った. 特に術中照射は1回に大線量を頭蓋底に直接照射でき有用であった. 現在, 患児は23歳に成長し横紋筋肉腫の再発や転移はなく, アドリアマイシン心筋症もない. 晩期障害は頸部の色素沈着, 下顎の非対称と歯の発育障害を認めている.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.119.1127