当院における化膿性脊椎炎の検討
【はじめに】当院における化膿性脊椎炎の現状を把握し,今回,起炎菌の同定方法および合併症について調査・検討した.【対象と方法】2007年1月~2010年6月までに当院で入院加療を行った24例(男性11例,女性13例,平均年齢74歳)につき,起炎菌およびその同定方法,合併症,治療などを調査した.【結果】起炎菌が同定できた症例は14例(検出率71%)で,起炎菌はMRSA 4例,MSSA 3例,Citrobacter koseri 2例,大腸菌,肺炎球菌,非定型抗酸菌,真菌で,血液培養の同定率は58%,組織生検培養の同定率は60%であった.合併症は感染性心内膜炎,髄膜炎,偽膜性腸炎などを11例に認め,...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 4; pp. 671 - 674 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2011
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.60.671 |
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Summary: | 【はじめに】当院における化膿性脊椎炎の現状を把握し,今回,起炎菌の同定方法および合併症について調査・検討した.【対象と方法】2007年1月~2010年6月までに当院で入院加療を行った24例(男性11例,女性13例,平均年齢74歳)につき,起炎菌およびその同定方法,合併症,治療などを調査した.【結果】起炎菌が同定できた症例は14例(検出率71%)で,起炎菌はMRSA 4例,MSSA 3例,Citrobacter koseri 2例,大腸菌,肺炎球菌,非定型抗酸菌,真菌で,血液培養の同定率は58%,組織生検培養の同定率は60%であった.合併症は感染性心内膜炎,髄膜炎,偽膜性腸炎などを11例に認め,血液培養陽性,入院時CRP値が危険因子であった.治療は,保存療法18例(ドレナージ併用7例),手術6例だった.【考察】化膿性脊椎炎,特に血液培養陽性例では,合併症の発生にも注意が必要である. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.60.671 |