肩関節前方不安定性を有するスポーツ選手に対する鏡視下バンカート法の短期成績

外傷性肩関節前方不安定症を有するスポーツ選手32例[男性23例,女性9例,平均年齢20.1歳(16-32歳),初回脱臼12例,複数回脱臼20例]を対象に術後1年時の成績を調査した.術後1年時の日本肩関節学会肩関節不安定性評価は84.2点,日本肩関節学会肩のスポーツ能力評価は80.5点であり,競技復帰率は90.6%であった.再脱臼は2例(6.3%)であり,いずれもラグビー選手であった.選手としての能力の項目において,障害前のレベルよりダウンしたと回答した症例の多くはオーバーハンド種目,利き手側の手術例であった.鏡視下バンカート法はスポーツ選手の受傷例にも有用な治療法ではあるが,コンタクトスポーツ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 59; no. 3; pp. 528 - 532
Main Authors 青柳, 孝彦, 鶴田, 敏幸, 峯, 博子, 可徳, 三博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2010
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:外傷性肩関節前方不安定症を有するスポーツ選手32例[男性23例,女性9例,平均年齢20.1歳(16-32歳),初回脱臼12例,複数回脱臼20例]を対象に術後1年時の成績を調査した.術後1年時の日本肩関節学会肩関節不安定性評価は84.2点,日本肩関節学会肩のスポーツ能力評価は80.5点であり,競技復帰率は90.6%であった.再脱臼は2例(6.3%)であり,いずれもラグビー選手であった.選手としての能力の項目において,障害前のレベルよりダウンしたと回答した症例の多くはオーバーハンド種目,利き手側の手術例であった.鏡視下バンカート法はスポーツ選手の受傷例にも有用な治療法ではあるが,コンタクトスポーツやオーバーハンド種目の利き手側に対しては,さらに治療成績向上の対策が必要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.59.528