腰椎黄色靱帯内血腫の2例

腰椎黄色靱帯内血腫により根性症状と馬尾性間歇性跛行を呈した2例を報告する.症例1;71歳,男性.草刈り中に尻餅をついてから腰痛出現.腰痛軽減するも左臀部痛出現し増強.MRIにてL4/5左側に黄色靱帯と連続するT1WおよびT2Wで不均一な高信号を呈する腫瘤性病変を認めた.症例2:56歳,男性.机等の重量物を運び,数日後より腰痛・両臀部痛出現.MRIにてL3/4右側から正中にかけて黄色靱帯と連続するT1Wで淡い高信号T2Wで低信号と高信号の混在を呈する腫瘤性病変を認めた.腰椎伸展させてから症状増悪し間歇性跛行が顕著となる.MRIにて腫瘤性病変の増大,内部信号の変化を認めた.2例とも部分椎弓切除と血...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 3; pp. 457 - 461
Main Authors 井上, 哲二, 山内, 達朗, 中島, 三郎, 福田, 和昭, 宮崎, 信, 沼田, 亨祐, 上原, 悠輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2011
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Summary:腰椎黄色靱帯内血腫により根性症状と馬尾性間歇性跛行を呈した2例を報告する.症例1;71歳,男性.草刈り中に尻餅をついてから腰痛出現.腰痛軽減するも左臀部痛出現し増強.MRIにてL4/5左側に黄色靱帯と連続するT1WおよびT2Wで不均一な高信号を呈する腫瘤性病変を認めた.症例2:56歳,男性.机等の重量物を運び,数日後より腰痛・両臀部痛出現.MRIにてL3/4右側から正中にかけて黄色靱帯と連続するT1Wで淡い高信号T2Wで低信号と高信号の混在を呈する腫瘤性病変を認めた.腰椎伸展させてから症状増悪し間歇性跛行が顕著となる.MRIにて腫瘤性病変の増大,内部信号の変化を認めた.2例とも部分椎弓切除と血腫を含む黄色靱帯全切除を施行し症状は軽快した.病理組織検査では変性靱帯内に肉芽組織の形成,血腫を認めた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.60.457