小児上腕骨外側上顆骨折の治療経験
小児の上腕骨外側上顆骨折は稀な損傷であり,その診断や肘関節不安定性の評価は難しい.さらに本骨折の転位から起こる偽関節や後外側回旋不安定性は合併症として報告されてきた.症例は,13歳男性.バスケットボールの試合中に左手をついて受傷し,左肘関節痛を主訴に当科を紹介受診.肘関節は外側のみに腫脹圧痛を認めた.X線にて外側上顆骨折を認め,遠位に転位していた.透視下に左肘関節の内反不安定性と後外側回旋不安定性を確認した.手術は,鋼線締結圧迫固定法により骨折部を整復固定した.術中に不安定性の消失を確認した.術後4カ月で,骨癒合は良好で,疼痛なく可動域制限も認めない....
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 59; no. 3; pp. 560 - 563 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2010
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.59.560 |
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Summary: | 小児の上腕骨外側上顆骨折は稀な損傷であり,その診断や肘関節不安定性の評価は難しい.さらに本骨折の転位から起こる偽関節や後外側回旋不安定性は合併症として報告されてきた.症例は,13歳男性.バスケットボールの試合中に左手をついて受傷し,左肘関節痛を主訴に当科を紹介受診.肘関節は外側のみに腫脹圧痛を認めた.X線にて外側上顆骨折を認め,遠位に転位していた.透視下に左肘関節の内反不安定性と後外側回旋不安定性を確認した.手術は,鋼線締結圧迫固定法により骨折部を整復固定した.術中に不安定性の消失を確認した.術後4カ月で,骨癒合は良好で,疼痛なく可動域制限も認めない. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.59.560 |