上腕骨骨頭に発生した軟骨芽細胞腫の1症例

軟骨芽細胞腫は10歳代の長管骨骨端部に好発する比較的稀な腫瘍である.今回我々は軟骨芽細胞腫の1症例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は15歳女性,右肩を壁に打ちつけ,右肩痛・可動域制限が出現した.その後,右肩挙上困難が出現したため近医受診し,レントゲンで上腕骨頚部に仮骨を認めたため,骨折の診断でリハビリを施行されていた.数か月後,右肩の腫脹に気づいたが放置していた.右背部の外傷あり,その際のレントゲンにて上腕骨に骨透亮像認めたため,MRI施行したところ骨腫瘍疑われ,当科紹介初診となった.生検術を施行し,軟骨芽細胞腫の診断となり,骨腫瘍掻爬と人工骨移植術を施行した.術後3年の最終経過観...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 4; pp. 692 - 696
Main Authors 宮元, 修子, 矢野, 浩明, 山本, 惠太郎, 石田, 康行, 田島, 卓也, 山口, 奈美, 崎濱, 智美, 長澤, 誠, 帖佐, 悦男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2011
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Summary:軟骨芽細胞腫は10歳代の長管骨骨端部に好発する比較的稀な腫瘍である.今回我々は軟骨芽細胞腫の1症例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は15歳女性,右肩を壁に打ちつけ,右肩痛・可動域制限が出現した.その後,右肩挙上困難が出現したため近医受診し,レントゲンで上腕骨頚部に仮骨を認めたため,骨折の診断でリハビリを施行されていた.数か月後,右肩の腫脹に気づいたが放置していた.右背部の外傷あり,その際のレントゲンにて上腕骨に骨透亮像認めたため,MRI施行したところ骨腫瘍疑われ,当科紹介初診となった.生検術を施行し,軟骨芽細胞腫の診断となり,骨腫瘍掻爬と人工骨移植術を施行した.術後3年の最終経過観察時,再発なく右肩可動域制限もない.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.60.692