小児滲出性中耳炎診療ガイドラインの取り扱い

2015年1月に日本耳科学会, 日本小児耳鼻咽喉科学会によって「小児滲出性中耳炎診療ガイドライン2015年版」が発刊された. これは本邦の小児滲出性中耳炎ガイドラインの初版であり, 現状で得られる小児滲出性中耳炎診療に関するエビデンスを明らかにしたものである. そして, 欧米とは医療を取り巻く環境が異なる本邦の現状をふまえて, その実情に即した小児滲出性中耳炎の臨床管理の評価を行い, その指針を示したものである. 小児滲出性中耳炎は, これまで諸家の間で診断や治療法など臨床管理の仕方に幅があることから, えてして「医療機関によって治療方針が全く異なっている」かのように受け止められがちな疾患であ...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 118; no. 9; pp. 1166 - 1167
Main Author 伊藤, 真人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.2015
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.118.1166

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Summary:2015年1月に日本耳科学会, 日本小児耳鼻咽喉科学会によって「小児滲出性中耳炎診療ガイドライン2015年版」が発刊された. これは本邦の小児滲出性中耳炎ガイドラインの初版であり, 現状で得られる小児滲出性中耳炎診療に関するエビデンスを明らかにしたものである. そして, 欧米とは医療を取り巻く環境が異なる本邦の現状をふまえて, その実情に即した小児滲出性中耳炎の臨床管理の評価を行い, その指針を示したものである. 小児滲出性中耳炎は, これまで諸家の間で診断や治療法など臨床管理の仕方に幅があることから, えてして「医療機関によって治療方針が全く異なっている」かのように受け止められがちな疾患であった. 小児滲出性中耳炎は, 就学前に90%が一度は罹患する中耳疾患であり, 小児に難聴を引き起こす最大の原因である. 米国では毎年約220万人がOMEと診断されており, 毎年直接・間接的に40億ドルの医療費を必要としている.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.118.1166