ドーズキャリブレータを用いた放射能測定に与える容器の影響 - 特に111Inおよび123Iの測定について

「要旨」 : 111Inや123Iの放射能をドーズキャリブレータで測定する際には低エネルギー特性X線の影響が問題になる. 我が国の日常診療で頻用される容器を用い, ドーズキャリブレータを用いた放射能測定に対する容器の影響を検討した. 111Inおよび123Iの放射能測定値は容器によって大きく変化し, プラスチックシリンジを用いると強い過大評価を生じた. 銅フィルターをドーズキャリブレータに挿入して測定すると容器依存性は消失した. 201TIおよび99mTCについては測定値の容器依存性は見られなかった. 111Inや123Iの放射能測定では容器の影響を考慮する必要があり, 正確な放射能決定には容...

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Published in核医学 Vol. 54; no. 1; pp. 545 - 549
Main Authors 井上優介, 阿部豊, 菊池敬, 宮武比呂樹, 渡辺篤史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本核医学会 2017
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Summary:「要旨」 : 111Inや123Iの放射能をドーズキャリブレータで測定する際には低エネルギー特性X線の影響が問題になる. 我が国の日常診療で頻用される容器を用い, ドーズキャリブレータを用いた放射能測定に対する容器の影響を検討した. 111Inおよび123Iの放射能測定値は容器によって大きく変化し, プラスチックシリンジを用いると強い過大評価を生じた. 銅フィルターをドーズキャリブレータに挿入して測定すると容器依存性は消失した. 201TIおよび99mTCについては測定値の容器依存性は見られなかった. 111Inや123Iの放射能測定では容器の影響を考慮する必要があり, 正確な放射能決定には容器に応じた補正係数の使用や銅フィルターの使用が有用と考えられた. 「目的」画像診断検査は先進国における放射線被ばくの主要な原因になっている. 画像技術の発達とともに画像診断検査の件数は増加を続けており, 人々の健康に貢献する一方で, 放射線被ばくの増大を招いている.
ISSN:0022-7854
DOI:10.18893/kakuigaku.tr.1701