不安定性頚椎による頚椎症性骨髄症の治療経験
「はじめに」頚椎不安定性は頚椎症性脊髄症の動的発症因子の一つと考えられる. 不安定性に関しては, まだはっきりとした定義はない. 今回微小な頚椎不安定性(前後のすべりに限定)にもかかわらず脊髄症を生じた症例に対し, 手術を行い, その不安定性および治療成績について検討した. 対象 対象は2001年11月以降に, 頚椎不安定性(前方あるいは後方のすべり)により脊髄症を生じ, 手術を施行した7例で, 男性4例, 女性3例, 年齢は42歳-78歳(平均61.7歳), 罹患部位は1椎間6例(C4/5が3例, C3/4が2例, C5/6が1例)であった. 2椎間は1例(C3/4, C4/5)であった....
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 4; pp. 888 - 891 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2004
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.53.888 |
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Summary: | 「はじめに」頚椎不安定性は頚椎症性脊髄症の動的発症因子の一つと考えられる. 不安定性に関しては, まだはっきりとした定義はない. 今回微小な頚椎不安定性(前後のすべりに限定)にもかかわらず脊髄症を生じた症例に対し, 手術を行い, その不安定性および治療成績について検討した. 対象 対象は2001年11月以降に, 頚椎不安定性(前方あるいは後方のすべり)により脊髄症を生じ, 手術を施行した7例で, 男性4例, 女性3例, 年齢は42歳-78歳(平均61.7歳), 罹患部位は1椎間6例(C4/5が3例, C3/4が2例, C5/6が1例)であった. 2椎間は1例(C3/4, C4/5)であった. 全例同部位にMRIにて髄内輝度変化を認めた. 術後経過観察期間は2-4ケ月(平均3.3ケ月)であった. 検討項目は動態単純X線でのすべりの程度と種類, 手術適応, 術前後のJOAスコアを検討した. すべりの評価方法は前方, 後方すべりに分け, すべりは下位隣接椎体後縁の接線と上位隣接椎体後下角との距離で測定し, 動的脊柱管狭窄は下位椎体後上角と上位椎弓下縁との距離あるいは上位椎体後下角と下位椎弓上縁との距離(以下椎体椎弓間距離)で評価した(図1). |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.53.888 |