Context-Sensitive Analgesiaに基づく抗凝固療法下の術後疼痛管理─上腹部手術
抗凝固療法を受けている患者に対する術後疼痛管理に際しては,血栓性疾患の病態,抗凝固療法に関する詳細な情報を手に入れ,抗凝固療法を中止・継続することの功罪を十分考慮した上で周術期の治療指針を決定する.上腹部手術の術後痛は非常に強いため,さまざまな鎮痛手段を,患者の状態,手術,麻酔法,術後経過などのcontextに応じて効果的に用いる必要がある.その中でも区域麻酔は抗凝固療法の有無にかかわらず,鎮静や呼吸抑制などの副作用を起こすことなく優れた鎮痛効果をもたらすことが可能であり,大きな武器になると考えられる....
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Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 31; no. 5; pp. 827 - 834 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
2011
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.31.827 |
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Summary: | 抗凝固療法を受けている患者に対する術後疼痛管理に際しては,血栓性疾患の病態,抗凝固療法に関する詳細な情報を手に入れ,抗凝固療法を中止・継続することの功罪を十分考慮した上で周術期の治療指針を決定する.上腹部手術の術後痛は非常に強いため,さまざまな鎮痛手段を,患者の状態,手術,麻酔法,術後経過などのcontextに応じて効果的に用いる必要がある.その中でも区域麻酔は抗凝固療法の有無にかかわらず,鎮静や呼吸抑制などの副作用を起こすことなく優れた鎮痛効果をもたらすことが可能であり,大きな武器になると考えられる. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.31.827 |