白内障と翼状片の同時手術でトーリック眼内レンズを挿入した症例の術後成績

【目的】翼状片が存在するにもかかわらず角膜乱視が倒乱視である白内障患者に対し、白内障と翼状片の同時手術を行い、トーリック眼内レンズ(以下T-IOL)を挿入した場合の早期術後成績について検討する。【対象と方法】2013年3月から2017年5月の間に白内障と翼状片の同時手術を行った患者のうち術前角膜乱視が倒乱視であり、T-IOLを挿入した10例11眼(75.3±5.6歳、平均±標準偏差、以下同様)(同時手術群、以下S群)。対照は同時手術群と同じ週に白内障単独手術を行いT-IOLを挿入した患者のうち術前角膜乱視が倒乱視だった17例25眼(77.0±7.9歳)(単独手術群、以下O群)。S群とO群の術前...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 47; pp. 117 - 121
Main Authors 橋本, 真佑, 川下, 晶, 蕪, 龍大, 竹下, 哲二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2018
日本視能訓練士協会
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Summary:【目的】翼状片が存在するにもかかわらず角膜乱視が倒乱視である白内障患者に対し、白内障と翼状片の同時手術を行い、トーリック眼内レンズ(以下T-IOL)を挿入した場合の早期術後成績について検討する。【対象と方法】2013年3月から2017年5月の間に白内障と翼状片の同時手術を行った患者のうち術前角膜乱視が倒乱視であり、T-IOLを挿入した10例11眼(75.3±5.6歳、平均±標準偏差、以下同様)(同時手術群、以下S群)。対照は同時手術群と同じ週に白内障単独手術を行いT-IOLを挿入した患者のうち術前角膜乱視が倒乱視だった17例25眼(77.0±7.9歳)(単独手術群、以下O群)。S群とO群の術前と術後1か月以降の角膜乱視、裸眼及び矯正視力、自覚と他覚の球面及び円柱度数について比較した。【結果】S群では術後に角膜の倒乱視が増強したにもかかわらず、裸眼視力、自覚と他覚の球面及び円柱度数はO群と同等に改善した。【結論】術前角膜乱視が倒乱視の症例に対する白内障と翼状片の同時手術ではT-IOLの適応があると考えられる。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.047F109