気道異物症例の周術期管理

当センターで経験した気道異物47症例の周術期管理を調査検討した.年齢の中央値は21ヵ月で豆類(気管支異物)や紙片・プラスチック片(喉頭異物)が多かった.来院時,咳・喘鳴を34%に,胸部X線異常を28%に認めた.気道異物を疑った場合,覚醒状態で喉頭ファイバーによる咽頭・喉頭観察後に全身麻酔を計画した.62%に緩徐導入,38%に急速導入を行い,麻酔維持はセボフルランによる調節呼吸を基本とした.53%の症例で筋弛緩薬の投与を行った.術中にSpO2<95%となった症例は26%で,いずれの症例も短時間で回復した.その他麻酔法に起因する合併症は認めなかった.吸入麻酔と全静脈麻酔,自発呼吸下管理と陽圧...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 31; no. 7; pp. 946 - 951
Main Authors 竹内, 宗之, 橘, 一也, 木内, 恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2011
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.31.946

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Summary:当センターで経験した気道異物47症例の周術期管理を調査検討した.年齢の中央値は21ヵ月で豆類(気管支異物)や紙片・プラスチック片(喉頭異物)が多かった.来院時,咳・喘鳴を34%に,胸部X線異常を28%に認めた.気道異物を疑った場合,覚醒状態で喉頭ファイバーによる咽頭・喉頭観察後に全身麻酔を計画した.62%に緩徐導入,38%に急速導入を行い,麻酔維持はセボフルランによる調節呼吸を基本とした.53%の症例で筋弛緩薬の投与を行った.術中にSpO2<95%となった症例は26%で,いずれの症例も短時間で回復した.その他麻酔法に起因する合併症は認めなかった.吸入麻酔と全静脈麻酔,自発呼吸下管理と陽圧換気下管理などそれぞれの利点と欠点を理解することにより,より安全な周術期管理につながると思われる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.31.946