「小児の気道管理─困難気道への対処─」によせて

小児における困難気道は成人とは異なる要素があり, これに的確に対応することが重要である. 小児の不利な点としては, 乳幼児では酸素消費量が高いために年長児・成人と比較して短時間の無呼吸で動脈血酸素飽和度が急速に低下することや, いろいろな挿管困難用の器具が開発され, 市販されているが, 小児では使用できる器具が限られていることなどがあげられる. 今回, 会長の依頼を受け, 小児の気道管理, ことに困難気道に緊急対処するための方策についてシンポジウムを企画した. 最初に上園晶一先生に「発生学が教える気道異常のメカニズム」と題してキーノートをお話しいただいた. 続いて, 香川哲郎先生に「ラリンジア...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 31; no. 7; p. 922
Main Authors 木内, 恵子, 川名, 信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2011
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.31.922

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Summary:小児における困難気道は成人とは異なる要素があり, これに的確に対応することが重要である. 小児の不利な点としては, 乳幼児では酸素消費量が高いために年長児・成人と比較して短時間の無呼吸で動脈血酸素飽和度が急速に低下することや, いろいろな挿管困難用の器具が開発され, 市販されているが, 小児では使用できる器具が限られていることなどがあげられる. 今回, 会長の依頼を受け, 小児の気道管理, ことに困難気道に緊急対処するための方策についてシンポジウムを企画した. 最初に上園晶一先生に「発生学が教える気道異常のメカニズム」と題してキーノートをお話しいただいた. 続いて, 香川哲郎先生に「ラリンジアルマスク」の講演をお願いした. ラリンジアルマスクは成人と同様, 全身麻酔中の気道確保の一手段として利用できるほかに, 気管挿管するための道具として, また, 困難気道のレスキューとして使用できる. 小児患者では咽頭容積が小さくラリンジアルマスクが安定しにくいなど難点がある.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.31.922