水平面における下胴の動きに着目した疾走動作の三次元動力学
「1. 緒言」 速く走る能力(以下「スプリント能力」と略す)を高めることは様々な競技スポーツにおいて重要である. その中でも, 最大疾走速度と100mタイムとの間に非常に高い有意な相関関係が認められているため(阿江ほか, 1994; 松尾ほか, 2008), スプリンターにとって, 最大疾走速度を高めることは最大の課題といえる. このことから, スプリント能力向上に寄与する知見を得るために動作分析, 下肢筋群の筋力測定, MRIを用いた筋量の測定など様々な観点から研究が行われており(羽田ほか, 2003; 狩野ほか, 1997; Sugisaki et al., 2011; 渡邊ほか, 200...
Saved in:
Published in | 体育学研究 Vol. 61; no. 1; pp. 115 - 131 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体育学会
2016
日本体育学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0484-6710 1881-7718 |
DOI | 10.5432/jjpehss.15044 |
Cover
Summary: | 「1. 緒言」 速く走る能力(以下「スプリント能力」と略す)を高めることは様々な競技スポーツにおいて重要である. その中でも, 最大疾走速度と100mタイムとの間に非常に高い有意な相関関係が認められているため(阿江ほか, 1994; 松尾ほか, 2008), スプリンターにとって, 最大疾走速度を高めることは最大の課題といえる. このことから, スプリント能力向上に寄与する知見を得るために動作分析, 下肢筋群の筋力測定, MRIを用いた筋量の測定など様々な観点から研究が行われており(羽田ほか, 2003; 狩野ほか, 1997; Sugisaki et al., 2011; 渡邊ほか, 2003), スプリント能力を高めるためには, 股関節屈曲および伸展筋群を強化する必要があることが明らかになっている. そして, 最大疾走速度局面では, 支持期後半から回復期前半で発揮される股関節屈曲トルクにより, 股関節が過度に伸展する(以下「脚が後方に流れる」と略す)のを抑え, 回復期後半で発揮される股関節伸展トルクにより, 上がった大腿が素早く振り下ろされている(阿江ほか, 1986; 馬場ほか, 2000). |
---|---|
ISSN: | 0484-6710 1881-7718 |
DOI: | 10.5432/jjpehss.15044 |