白内障手術の術後にCrossed monovisionを呈した症例
【目的】人工的monovisionを用いた白内障手術後にcrossed monovisionを呈した症例について検討する。【対象と方法】2008年8月~2013年6月に人工的monovisionを用いて両眼白内障手術及び眼内レンズ挿入を228例施行した。このうち術後に優位眼が逆転するなどしてcrossed monovisionになった症例で、正視眼が術後1か月において遠見矯正視力1.0以上かつ乱視-0.75D以下、等価球面値の差1.5~2.0Dであった11症例を対象とし、術後遠近両眼開放視力、立体視、優位眼の変化、アンケート調査を行い、後ろ向きに検討した。【結果】術後1か月の時点で、両眼遠見裸...
Saved in:
Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 47; pp. 249 - 256 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2018
日本視能訓練士協会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
DOI | 10.4263/jorthoptic.047F201 |
Cover
Summary: | 【目的】人工的monovisionを用いた白内障手術後にcrossed monovisionを呈した症例について検討する。【対象と方法】2008年8月~2013年6月に人工的monovisionを用いて両眼白内障手術及び眼内レンズ挿入を228例施行した。このうち術後に優位眼が逆転するなどしてcrossed monovisionになった症例で、正視眼が術後1か月において遠見矯正視力1.0以上かつ乱視-0.75D以下、等価球面値の差1.5~2.0Dであった11症例を対象とし、術後遠近両眼開放視力、立体視、優位眼の変化、アンケート調査を行い、後ろ向きに検討した。【結果】術後1か月の時点で、両眼遠見裸眼視力0.8~1.5、両眼近見裸眼視力0.6~1.0になり、全例80秒以下の立体視を得た。見え方のアンケート調査では、眼鏡でも遠近ともによく見えると答えた症例8例、見え方に不自由はしていないがよりはっきり見たい時だけ眼鏡を装用すると答えた症例2例、表現しにくい見えにくさを訴える症例1例であった。【結論】crossed monovisionになっても多くは良好な術後生活を送りうるが、説明し難い見えにくさを訴える症例が存在した。白内障手術にmonovision法を行う場合には、予期せずcrossed monovisionになることがある為、術前に十分な説明が必要である。 |
---|---|
ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.047F201 |