記録水準の異なるハンマー投競技者のハンマーヘッドスピードとハンドルの動き

「I 緒言」ハンマー投において, 投擲記録はハンマー投射時の初速度が最大の決定要素 (坂東ほか, 2006 ; 池上ほか, 1994 ; 室伏ほか, 1982 ; 岡本ほか, 2000) であるため, スイング, ターン動作を行うことでハンマーヘッドスピードを徐々に増加させ, リリース時の初速度を最大限に高める必要性がある. ターン動作中におけるハンマーヘッドスピード増加に関する先行研究に着目すると, ハンドルがハンマーヘッドとハンマーの瞬間回転中心を結ぶ線分より先行した状態でワイヤーに張力を加えることによって, ハンマーヘッドを加速する効果が生じると報告している (藤井ほか, 2008b)...

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Published in体育学研究 Vol. 65; pp. 643 - 657
Main Authors 藤井, 宏明, 大山卞, 圭悟, 藤井, 範久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 2020
日本体育学会
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.19114

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Summary:「I 緒言」ハンマー投において, 投擲記録はハンマー投射時の初速度が最大の決定要素 (坂東ほか, 2006 ; 池上ほか, 1994 ; 室伏ほか, 1982 ; 岡本ほか, 2000) であるため, スイング, ターン動作を行うことでハンマーヘッドスピードを徐々に増加させ, リリース時の初速度を最大限に高める必要性がある. ターン動作中におけるハンマーヘッドスピード増加に関する先行研究に着目すると, ハンドルがハンマーヘッドとハンマーの瞬間回転中心を結ぶ線分より先行した状態でワイヤーに張力を加えることによって, ハンマーヘッドを加速する効果が生じると報告している (藤井ほか, 2008b) . また, ハンドル先行距離正積分値とヘッド加速量との間に有意な相関関係が認められたことから, ハンマーヘッド加速量を大きくするためには, ハンドルを先行させるだけでなく, ハンドルをハンマーヘッドと瞬間回転中心を結ぶ線分より距離的にも時間的にも長く先行させることが重要であると述べている (藤井ほか, 2010) .
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.19114