痙攣によって生じたと考えられた上腕骨小結節裂離骨折を伴う肩関節後方脱臼の1例

肩関節後方脱臼は全肩関節脱臼の1.5~3.8%と稀である. 後方脱臼骨折の頻度はさらに低く, 我々は痙攣によって生じたと考えられた上腕骨小結節裂離骨折を伴う肩関節後方脱臼の1例を経験した. 症例は66歳女性で観血的脱臼整復固定術, 及び骨欠損部への骨移植を施行した. 術後6カ月で上腕骨頭の壊死は認めず, JOAスコアは81.5点であった. 「はじめに」肩関節後方脱臼骨折は前方脱臼骨折に比べて比較的稀な疾患である. また肩関節後方脱臼は初診時に見逃されて陳旧性になることが多い. 本邦では外傷に起因する報告が多く, 痙攣発作に起因する報告は少ない. 今回, 私達は痙攣によって生じたと考えられた上腕...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 58; no. 2; pp. 271 - 275
Main Authors 島袋, 孝尚, 安里, 英樹, 比嘉, 丈矢, 金谷, 文則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2009
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.58.271

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Summary:肩関節後方脱臼は全肩関節脱臼の1.5~3.8%と稀である. 後方脱臼骨折の頻度はさらに低く, 我々は痙攣によって生じたと考えられた上腕骨小結節裂離骨折を伴う肩関節後方脱臼の1例を経験した. 症例は66歳女性で観血的脱臼整復固定術, 及び骨欠損部への骨移植を施行した. 術後6カ月で上腕骨頭の壊死は認めず, JOAスコアは81.5点であった. 「はじめに」肩関節後方脱臼骨折は前方脱臼骨折に比べて比較的稀な疾患である. また肩関節後方脱臼は初診時に見逃されて陳旧性になることが多い. 本邦では外傷に起因する報告が多く, 痙攣発作に起因する報告は少ない. 今回, 私達は痙攣によって生じたと考えられた上腕骨小結節裂離骨折を伴う肩関節後方脱臼の1例を経験したので報告する. 「症例」66歳女性. 就寝中に全身性痙攣を生じ, 近医に搬送された. 入院後精査されたが, 痙攣の原因不明であった. 受傷後7日目, 右肩痛が持続していたため, 同院の整形外科に紹介され初めて右肩関節後方脱臼と診断された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.58.271