変形性股関節症患者の歩行について

「はじめに」変形性股関節症は異常歩行をきたす代表的な疾患である. 変形性股関節症患者の歩行については, 多数の報告があるが, 歩行解析が臨床的評価として用いられることは少ない. 今回, 歩行解析の結果が, 臨床的評価とどのように関連しているのかを, 特に疼痛に注目して検討した. 対象と方法 対象は当院にて2003年5月より9月までに人工股関節全置換術を行った変形性股関節症患者156例176股のうちprimary症例20例を対象とした. この20症例は, 全例女性, 術前のStageは末期であり, 片側例で健側がX線上正常であり疼痛のないもの, 術前に杖なし歩行による歩行分析が可能であったものを...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 54; no. 1; pp. 173 - 175
Main Authors 植木, 里紀, 重松, 正森, 本岡, 勉, 佛淵, 孝夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2005
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Summary:「はじめに」変形性股関節症は異常歩行をきたす代表的な疾患である. 変形性股関節症患者の歩行については, 多数の報告があるが, 歩行解析が臨床的評価として用いられることは少ない. 今回, 歩行解析の結果が, 臨床的評価とどのように関連しているのかを, 特に疼痛に注目して検討した. 対象と方法 対象は当院にて2003年5月より9月までに人工股関節全置換術を行った変形性股関節症患者156例176股のうちprimary症例20例を対象とした. この20症例は, 全例女性, 術前のStageは末期であり, 片側例で健側がX線上正常であり疼痛のないもの, 術前に杖なし歩行による歩行分析が可能であったものを選択した. 平均年齢は61.2歳であった. 方法は, ニッタ株式会社製のゲイトスキャン8000を用いて行った. 被検者に入院時, センサシートの上を自由歩行してもらい, それを約5秒間計測した. 検討項目 検査項目は距離因子(重複歩幅, 歩幅, 歩隔), 時間因子(重複時間, 1歩時間, 遊脚時間, 両足接地時間)であり, それぞれMurrayら2)3)の報告した健常者のデータと比較した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.54.173