Windswept deformity に対し両側 TKA を施行した 1 例

「はじめに」同一症例の膝関節で一側内反, 他側外反変形を呈するものをwindswept deformity(吹きさらし変形)と呼ばれているが比較的稀である. 本変形を呈する小児例はアフリカの一部の領域にみられ以前より多数の報告が見られるが, 成人例は比較的稀とされている. 今回我々はwindswept deformityを呈する高齢者を経験したので, その治療法, 病因につき文献的考察を加え報告する. 症例 77歳 女性 既往歴:平成6年より甲状腺機能低下症にて内服加療中 現病歴:40歳代より膝関節の腫脹に気づき, 次第に疼痛, 変形を自覚するようになり, 近医で薬物, 理学療法を行っていたが...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 4; pp. 760 - 763
Main Authors 大西, 敏之, 小宮, 節郎, 小原, 良規, 栫, 博則, 吉野, 伸司, 川畑, 了大, 田上, 容祥, 津畑, 修, 東, 午郎, 砂原, 伸彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2003
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.52.760

Cover

Loading…
More Information
Summary:「はじめに」同一症例の膝関節で一側内反, 他側外反変形を呈するものをwindswept deformity(吹きさらし変形)と呼ばれているが比較的稀である. 本変形を呈する小児例はアフリカの一部の領域にみられ以前より多数の報告が見られるが, 成人例は比較的稀とされている. 今回我々はwindswept deformityを呈する高齢者を経験したので, その治療法, 病因につき文献的考察を加え報告する. 症例 77歳 女性 既往歴:平成6年より甲状腺機能低下症にて内服加療中 現病歴:40歳代より膝関節の腫脹に気づき, 次第に疼痛, 変形を自覚するようになり, 近医で薬物, 理学療法を行っていたが症状の改善は得られなかった. 平成11年歩行障害が増悪してきたため当院を初診した. 当科外来ではヒアルロン酸製剤の関節内注入を行い経過観察したが, なお疼痛は改善せず平成12年6月8日, 手術目的にて入院となった. 入院時現症:両下肢は図1のように右膝外反変形, 左膝内反変形と呈しており膝外側角(以下, FTA)右144°, 左191°, 日整会変形性膝関節症治療成績判定基準(以下, JOA score)は右35点, 左40点, Mikulicz線は右82mm外側, 左50mm内側をとおり, 可動域は右0°-100°, 左-15°-110°, 大腿周径は右55cm, 左54cmであった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.52.760