腰椎に発生した骨巨細胞腫の 2 例

「はじめに」脊椎原発の骨巨細胞腫は稀な疾患である. 今回, 腰椎原発の骨巨細胞腫に対して前方後方手術を施行した2例を経験したので報告する. 症例 症例1 45歳, 男性. 特に誘因なく腰痛が出現した. 前医にてL3転移性骨腫瘍と診断されたが原発巣は不明で, 当院放射線科に紹介された. 放射線治療中, 進行性の両下肢不全麻痺が出現したため当科に転科となった. 転科時, 深部腱反射は両側ATR, PTRともに消失していた. 徒手筋力テスト(MMT)で両大腿四頭筋以下[3-4]と低下, 両大腿部以下の知覚鈍麻を認めた. 日整会腰痛疾患治療成績判定基準(JOA)スコアは3/29点であった. 38度台の...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 54; no. 2; pp. 225 - 231
Main Authors 半澤, 浩明, 當眞, 嗣一, 六角, 高祥, 石原, 昌人, 上原, 邦彦, 金谷, 文則, 新垣, 勝男, 野原, 博和, 米嵩, 理
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2005
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.54.225

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Summary:「はじめに」脊椎原発の骨巨細胞腫は稀な疾患である. 今回, 腰椎原発の骨巨細胞腫に対して前方後方手術を施行した2例を経験したので報告する. 症例 症例1 45歳, 男性. 特に誘因なく腰痛が出現した. 前医にてL3転移性骨腫瘍と診断されたが原発巣は不明で, 当院放射線科に紹介された. 放射線治療中, 進行性の両下肢不全麻痺が出現したため当科に転科となった. 転科時, 深部腱反射は両側ATR, PTRともに消失していた. 徒手筋力テスト(MMT)で両大腿四頭筋以下[3-4]と低下, 両大腿部以下の知覚鈍麻を認めた. 日整会腰痛疾患治療成績判定基準(JOA)スコアは3/29点であった. 38度台の発熱があり, 血液学的所見では, 白血球12600, 血沈40, CRP5.83と炎症所見を認めた. 単純X線像ではL3椎体に骨透亮像と膨隆, CTではL3椎体の骨融解像を認めた(図1). MRIで同部位は, T1強調画像にてlow intensity, T2強調画像にてhigh intensityを呈し, ガドリニウムで造影され, 馬尾神経が圧迫されていた(図2). 鑑別疾患として, 原発性脊椎腫瘍, 椎体炎が考えられたが, 進行性の麻痺を認めたため, 5日後緊急手術を施行した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.54.225