骨・平滑筋肉腫の治療経験
稀な腫瘍である骨に発生した平滑筋肉腫(LMS)5例を経験したので,その治療成績を報告する.症例は49~84歳,平均年齢66歳.男性1例,女性4例であった.罹患部位は大腿骨遠位3例,脛骨近位1例,腓骨遠位1例であり,膝周囲が5例中4例と多かった.初回手術後の経過観察期間は5ヵ月~9年7ヶ月,平均3年11ヶ月であった.初回生検にてLMSと診断された症例は2例のみで,その他骨巨細胞腫と診断された症例2例,診断確定出来なかった症例1例であった.初回生検でLMSと診断された2症例(大腿切断1例,広範切除+足関節固定術1例)は術後再発・転移ともにみとめていないが,初回生検で診断出来なかった症例は3例で局所...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 57; no. 1; pp. 78 - 83 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2008
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.57.78 |
Cover
Summary: | 稀な腫瘍である骨に発生した平滑筋肉腫(LMS)5例を経験したので,その治療成績を報告する.症例は49~84歳,平均年齢66歳.男性1例,女性4例であった.罹患部位は大腿骨遠位3例,脛骨近位1例,腓骨遠位1例であり,膝周囲が5例中4例と多かった.初回手術後の経過観察期間は5ヵ月~9年7ヶ月,平均3年11ヶ月であった.初回生検にてLMSと診断された症例は2例のみで,その他骨巨細胞腫と診断された症例2例,診断確定出来なかった症例1例であった.初回生検でLMSと診断された2症例(大腿切断1例,広範切除+足関節固定術1例)は術後再発・転移ともにみとめていないが,初回生検で診断出来なかった症例は3例で局所再発を,2例で骨転移を,1例で肺転移をみとめた.短期経過観察であるが,広範切除以上で局所のコントロールは良かった.生検にて正しくLMSと診断することが治療成績の向上には必要であると考えた. |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.57.78 |