化膿性膝関節炎を疑い関節鏡視下デブリドマンを行った 18 例

「はじめに」化膿性膝関節炎(以下PAと略す)は日常の診療において比較的よく遭遇するものの, 偽痛風などとの鑑別に苦慮することが少なくない. その診断治療時期および方法を誤ると関節破壊や関節強直などの重篤な機能障害を残す. 今回, PAを疑い関節液培養検査で起因菌が証明されたもの7例, 起因菌が証明されなかったが臨床所見, 血液学的所見および関節鏡視所見からPAを否定することができなかった11例に対して関節鏡視下デブリドマンおよび滑膜切除術を施行し, その臨床的検討を行ったので報告する. 対象 2001年以降の症例でPAを疑った18例, 19膝を対象とした. 性別は男性3例, 女性15例, 年齢...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 1; pp. 40 - 42
Main Authors 内藤, 温友, 湯朝, 友基, 村上, 陽司, 平川, 洋平, 中川, 広志, 伊藤, 嘉浩, 川崎, 由美子, 江本, 玄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2004
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Summary:「はじめに」化膿性膝関節炎(以下PAと略す)は日常の診療において比較的よく遭遇するものの, 偽痛風などとの鑑別に苦慮することが少なくない. その診断治療時期および方法を誤ると関節破壊や関節強直などの重篤な機能障害を残す. 今回, PAを疑い関節液培養検査で起因菌が証明されたもの7例, 起因菌が証明されなかったが臨床所見, 血液学的所見および関節鏡視所見からPAを否定することができなかった11例に対して関節鏡視下デブリドマンおよび滑膜切除術を施行し, その臨床的検討を行ったので報告する. 対象 2001年以降の症例でPAを疑った18例, 19膝を対象とした. 性別は男性3例, 女性15例, 年齢は11歳から100歳(平均年齢は71.2歳)であった. 全例, 関節液培養検査および血液生化学検査を行った. 検討項目として, 基礎疾患の有無, 感染原因, 発症から関節鏡施行までの期間, 起因菌, CRP陰性化までの期間, 鏡視所見などについて検討し, 術後の評価には, Ballard1)の評価判定基準(表1)を用い, 臨床評価を行った.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.53.40