正常成獣ラット腰髄, 後根神経節におけるBDNFとTrkBの発現

「はじめに」脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor, 以下BDNF)には, その高親和性レセプターとしてトラックB(Tropomycin related kinase B, 以下, TrkB)が存在する. TrkBにはチロシンキナーゼ活性を有する細胞内ドメインを持っfull-length TrkB(以下, TrkB-fl)と, 細胞内ドメインを持たないtrancated TrkB(以下, TrkB-t)とがある1). しかし, それらの神経組織特に脊髄と後根神経節における局在と動態の関係は明らかではない. 今回, 我々は, スプラーク・ドンリュー...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 51; no. 3; pp. 551 - 553
Main Authors 眞島, 武, 永田, 見生, 佐藤, 公昭, 安藤, 則行, 津留, 美智代, 志波, 直人, 梅津, 祐一, 岩崎, 敏展
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2002
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Summary:「はじめに」脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor, 以下BDNF)には, その高親和性レセプターとしてトラックB(Tropomycin related kinase B, 以下, TrkB)が存在する. TrkBにはチロシンキナーゼ活性を有する細胞内ドメインを持っfull-length TrkB(以下, TrkB-fl)と, 細胞内ドメインを持たないtrancated TrkB(以下, TrkB-t)とがある1). しかし, それらの神経組織特に脊髄と後根神経節における局在と動態の関係は明らかではない. 今回, 我々は, スプラーク・ドンリューラット(以下SDラット)において免疫組織化学的にBDNFとTrkB-flの腰髄と後根神経節における発現を検討した. 対象と方法 1. ラットの固定 対象動物は正常成獣雄性SDラット(約10週齢, 体重約450g)である. ジエチルエーテル経鼻麻酔後, ネンブタール1.0ml腹腔内投与した. 0.1Mリン酸緩衝液(pH7.6, 以下PB)200mlにて脱血し, ザンボニ固定液1,000ml(4%パラホルムアルデヒド, 15%ピクリン酸)にて還流固定した. 腰髄と後根神経節を取り出し, 30%スクロース加PBに24時間置換した. 神経組織を凍結し, クリオスタットにて厚さ5μmの連続切片を作成し, スライドガラスに載せ, 乾燥させた後, 免疫染色を施行した.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.51.551