下肢切断術後の予後調査

〈目的〉下肢壊疽に対して,下肢切断術を施行した症例を調査し,生命予後・創治癒に関する因子を検討すること.〈対象〉2005年1月から2007年12月までに,当院で下肢切断術を施行した33例で,初回手術時平均年齢77歳,男性17例,女性16例であった.原因疾患は,閉塞性動脈硬化症17例(52%),糖尿病6例(18%),両者を合併したものが8例(24%),その他2例(6%)であった.初回切断部位は大腿切断が20例ともっとも多く,ついで足部足趾切断が9例,下腿切断が4例であった.再切断,創治癒遅延を,12例に認めた.〈結果〉1年生存率は51.5%であった.下肢壊疽に対して,下肢切断術を受けた症例が1年...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 58; no. 3; pp. 460 - 463
Main Authors 松村, 陽介, 古市, 格, 村田, 雅和, 宮田, 倫明, 穂積, 晃, 久芳, 昭一, 前田, 和政
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2009
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Summary:〈目的〉下肢壊疽に対して,下肢切断術を施行した症例を調査し,生命予後・創治癒に関する因子を検討すること.〈対象〉2005年1月から2007年12月までに,当院で下肢切断術を施行した33例で,初回手術時平均年齢77歳,男性17例,女性16例であった.原因疾患は,閉塞性動脈硬化症17例(52%),糖尿病6例(18%),両者を合併したものが8例(24%),その他2例(6%)であった.初回切断部位は大腿切断が20例ともっとも多く,ついで足部足趾切断が9例,下腿切断が4例であった.再切断,創治癒遅延を,12例に認めた.〈結果〉1年生存率は51.5%であった.下肢壊疽に対して,下肢切断術を受けた症例が1年以内の短期間に死亡してしまう危険因子として,高齢,術前ADLが寝たきり,大腿切断例があげられた.また,創治癒遅延を認める危険因子としては,CRP高値が考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.58.460