Papineau法を用いた広範囲大腿骨慢性化膿性骨髄炎の治療経験

今回我々は,長期間放置されていた大腿骨の慢性化膿性骨髄炎の3例に対し,Papineau法による治療を行い良好な治療成果が得られたので報告する.症例は男性2例,女性1例で,年齢は60歳~70歳(平均64.7歳).骨髄炎罹患期間は23年~52年(平均38.0年)であった.第1相~第2相までの日数は平均47.3日,第2相~第3相までは平均28.0日で,入院期間は平均110.0日であった.病巣掻爬の範囲が約20cmに及ぶものが1例あったが,両側前後の腸骨からの骨移植でなんとか骨充填可能であった.第3相は3例とも創の縫縮のみで閉創可能で,再燃は認めていない.〈考察〉慢性化膿性骨髄炎に対してはPapine...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 55; no. 4; pp. 485 - 491
Main Authors 牧野, 佳朗, 宮原, 健次, 別府, 綾子, 白石, 公太郎, 鳥越, 雄史, 日高, 信道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2006
Subjects
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.55.485

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Summary:今回我々は,長期間放置されていた大腿骨の慢性化膿性骨髄炎の3例に対し,Papineau法による治療を行い良好な治療成果が得られたので報告する.症例は男性2例,女性1例で,年齢は60歳~70歳(平均64.7歳).骨髄炎罹患期間は23年~52年(平均38.0年)であった.第1相~第2相までの日数は平均47.3日,第2相~第3相までは平均28.0日で,入院期間は平均110.0日であった.病巣掻爬の範囲が約20cmに及ぶものが1例あったが,両側前後の腸骨からの骨移植でなんとか骨充填可能であった.第3相は3例とも創の縫縮のみで閉創可能で,再燃は認めていない.〈考察〉慢性化膿性骨髄炎に対してはPapineau法以外にもさまざまな治療法が施行されている.当院ではイリザロフによる仮骨延長法等も症例によっては施行しているが,患者の性格,年齢,罹患部位等を考慮すると,今回のようにPapineau法の有用性が改めて確認できた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.55.485