眼窩内病変に対する経鼻的アプローチによる手術の適応

「1. はじめに」 眼球後部は眼球の存在のため手術困難な部位である. 多くの眼科医が取り扱っていないため, 脳神経外科, 形成外科, 耳鼻咽喉科が独自に手術を行っている. アプローチ法は側方法, 前方法, 経頭蓋法, 経副鼻腔法の4つがあるが, 今回は内視鏡を用いた経鼻的アプローチについて解説する. 視器に関する症状が初発かつ主症状であり, 眼科や脳外科を初診することが多い. 耳鼻咽喉科を初診することは一般的ではなく, 画像検査後に手術目的に耳鼻咽喉科に紹介されてくる. 視神経を中心としてその内側や下方に存在している症例や副鼻腔炎に起因する眼窩内膿瘍症例が治療対象となる. われわれは現在22例...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 116; no. 2; pp. 116 - 117
Main Author 唐木, 將行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 2013
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.116.116

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Summary:「1. はじめに」 眼球後部は眼球の存在のため手術困難な部位である. 多くの眼科医が取り扱っていないため, 脳神経外科, 形成外科, 耳鼻咽喉科が独自に手術を行っている. アプローチ法は側方法, 前方法, 経頭蓋法, 経副鼻腔法の4つがあるが, 今回は内視鏡を用いた経鼻的アプローチについて解説する. 視器に関する症状が初発かつ主症状であり, 眼科や脳外科を初診することが多い. 耳鼻咽喉科を初診することは一般的ではなく, 画像検査後に手術目的に耳鼻咽喉科に紹介されてくる. 視神経を中心としてその内側や下方に存在している症例や副鼻腔炎に起因する眼窩内膿瘍症例が治療対象となる. われわれは現在22例の眼窩手術を行い, 経上顎洞からアプローチした1例と経鼻と経眼球結膜アプローチを併用した1例を除く20例を経鼻的アプローチ単独で行った. 「2. 症状と疾患」 「1)症状」 視力障害が最も多く, 16例に視力障害を認めた. 次いで眼痛(14例), 眼球運動障害(9例)の順であった.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.116.116