Head Impulse Test の適応と実際

「1. 概要」半規管機能検査には, 温度刺激検査(カロリックテスト), 振子様回転検査, head-shaking testなどが知られている. head impulse test (HIT)は1988年にHalmagyiとCurthoysが報告した頭部回転刺激による検査である. ベッドサイドでも簡単に行うことができ, 諸外国での普及率は高い. HITの検査方法は, 被験者に視標(検者の鼻先や目など)を注視させた状態で, 頭部を受動的かつ急速に10°~20°回旋させる. head impulseとはこの急速な頭部回転のことを指す. 半規管機能が正常であれば, 前庭眼反射(vestibular-...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 118; no. 7; pp. 900 - 901
Main Author 池園, 哲郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.07.2015
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.118.900

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Summary:「1. 概要」半規管機能検査には, 温度刺激検査(カロリックテスト), 振子様回転検査, head-shaking testなどが知られている. head impulse test (HIT)は1988年にHalmagyiとCurthoysが報告した頭部回転刺激による検査である. ベッドサイドでも簡単に行うことができ, 諸外国での普及率は高い. HITの検査方法は, 被験者に視標(検者の鼻先や目など)を注視させた状態で, 頭部を受動的かつ急速に10°~20°回旋させる. head impulseとはこの急速な頭部回転のことを指す. 半規管機能が正常であれば, 前庭眼反射(vestibular-ocular reflex; VOR)が働き視標を注視できる. 機能が低下すると, 十分なVORが働かず眼位と視標にズレが生じる. これを補正して視標を捉えるために急速眼球運動が生じるが, これがcatch up saccade (CUS, 別名; refixation saccade)と呼ばれるものである.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.118.900