脊髄レベルにおける疼痛と鎮痛

痛み機構は生体が外界との接点として, 異常を感知する重要な情報受容機構として発達してきた. 痛みを感じるのは脳であるが皮膚から脳まで一本の神経ではなくて, 脊髄に入って一度ノイロンを代える. 脊髄を通ったノイロンはもう一度ノイロンを代え大脳皮質へ伝える. したがって2回の乗り換えを行う. この乗り換えが問題である, 神経のみの伝導であれば痛みの刺激はある程度の修飾はあってもそんなに刺激のパターンが変わることもなく大脳へ伝えられるのであるがノイロンを代えることでそこに多くの神経伝達物質が介在しそのために刺激が修飾, 変調を受ける. これが痛みの性格を全く変えまたは通常行われる乗り換え神経とは異な...

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Published in日本鍼灸良導絡医学会誌 Vol. 26; no. 3; pp. 1 - 4
Main Author 森, 秀麿
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本良導絡自律神経学会 1998
日本良導絡神経学会
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ISSN0286-1631
1884-9253
DOI10.17119/ryodoraku1971.26.3_1

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Summary:痛み機構は生体が外界との接点として, 異常を感知する重要な情報受容機構として発達してきた. 痛みを感じるのは脳であるが皮膚から脳まで一本の神経ではなくて, 脊髄に入って一度ノイロンを代える. 脊髄を通ったノイロンはもう一度ノイロンを代え大脳皮質へ伝える. したがって2回の乗り換えを行う. この乗り換えが問題である, 神経のみの伝導であれば痛みの刺激はある程度の修飾はあってもそんなに刺激のパターンが変わることもなく大脳へ伝えられるのであるがノイロンを代えることでそこに多くの神経伝達物質が介在しそのために刺激が修飾, 変調を受ける. これが痛みの性格を全く変えまたは通常行われる乗り換え神経とは異なった神経に刺激が伝導される.
ISSN:0286-1631
1884-9253
DOI:10.17119/ryodoraku1971.26.3_1