透析患者の下肢切断の治療成績の検討

平成4年6月から平成17年5月までの13年間に当院で施行した下肢切断のうち,血液透析を行っていた24例33肢をretrospectiveに検討した.初回手術時の創閉鎖の有無で2群に分け,糖尿病・虚血性心疾患の合併,心機能,CRP,アルブミンを検討項目とし2群を比較した.自験例では下腿切断・大腿切断に比して足趾切断での創閉鎖率が悪く,再切断となる割合が高かった.透析患者にはcompromised hostが多く,また様々な合併症を有している為,頻回の手術は避けるべきであり,透析患者においては高位での切断を考慮した方が良いと考えられた.また創閉鎖を得られなかった症例では,心機能評価に用いられるEF...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 55; no. 4; pp. 448 - 450
Main Authors 井原, 成男, 鈴木, 聖裕, 酒井, 昭典, 廣重, 欣也, 近藤, 秀臣, 中井, 健一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2006
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.55.448

Cover

More Information
Summary:平成4年6月から平成17年5月までの13年間に当院で施行した下肢切断のうち,血液透析を行っていた24例33肢をretrospectiveに検討した.初回手術時の創閉鎖の有無で2群に分け,糖尿病・虚血性心疾患の合併,心機能,CRP,アルブミンを検討項目とし2群を比較した.自験例では下腿切断・大腿切断に比して足趾切断での創閉鎖率が悪く,再切断となる割合が高かった.透析患者にはcompromised hostが多く,また様々な合併症を有している為,頻回の手術は避けるべきであり,透析患者においては高位での切断を考慮した方が良いと考えられた.また創閉鎖を得られなかった症例では,心機能評価に用いられるEF(Ejection fraction:心駆出率)が有意に低かった.EFは直接的には心機能をあらわしており,末梢循環そのものを評価しているわけではないが,1つの簡便な指標になるのではないかと我々は考えた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.55.448